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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第12章 思惑交差のパーティー
バタバタと忙しくて、あまり見ている暇が無かったけど、昼前から会長は居なかったと思う。
この客船の中で何をしているんだろう?
そんな事を考えながら、最後の紅茶を飲んでいたら、伊織さんが此処にやって来た。
「・・食事ですか?」
「ええ…
やっと空き時間が出来たもので……」
「なるほど…
女性は大変ですね」
「まあ・・・」
2人共知っていたのね、こうなるって事…
本当にギリギリまで話さないんだからっ!
「伊織さん、会長が見えませんね?」
ううう…
此処は極力大人しく……
「会長は挨拶回りでしょう…
もうそろそろ戻って来るとは思います」
「挨拶回り?
パーティー中では無く??」
普通、パーティー中に回るものなんだけど何故?
「会長ですので…
顔が割れている方々には、先に挨拶回りに伺われています、パーティー中は単独行動になるかと……」
そうだ!
謎の人物早乙女会長…
今日来ている招待客でも、会長の顔すら知らないのが沢山居るんだ。
だから、分かっているところには先手で挨拶回り、そしてパーティー中は1人で動くって事ね‥それが一番バレないから。
「私と美紀さんは、パーティー中に挨拶回りになります…
社長は、その他の招待客の相手ですか‥‥会長は招待客の中に紛れ込む予定です」
「用意周到てすね?」
「最善策かと思います…
その他に、屋敷と本社の秘書一部をスタッフとして配置、葉山さんには連絡役として、さり気なく会長に付くと思われ‥‥かなり人選しましたから、少数精鋭なんですよ」
少しだけ聞いていたけど、実際は凄い包囲網…
会長が、かなり警戒しているのが良く分かる。
「招待客のリストです、軽く覚える程度で構いませんので、時間がありましたら見て下さい」
「分かりました…」
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