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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第12章 思惑交差のパーティー



「・・良かったんですか?」


「何がですか?」


「私のエスコート役…
ずっと早乙女筋だと隠していたのに……」


伊織さんは、表立って早乙女筋と言った事は一度も無い…
会長も遠藤と、公私の区別を明確に付けていた程。



「今回は祖母の了承は取っています…
今までは、早乙女を嫌った父に対する祖母の気遣いで、早乙女筋だという事を伏せるのを前提に、早乙女邸に秘書として入りましたから」


「でしたら・・・」


なんで今回は了承を取ったの??


何となく伊織さんらしく無いと言うか、ずっと隠して普通にやって来たのに変だよ・・・



「私でも、少しは思うところがあります…
それに、いずれはバレる事、だとしたら今が一番良い‥そう思っただけです、無用な心配ですよ美紀さん」


「・・伊織さん……」


じゃあ、なんでそんな複雑そうな顔をしているの??


無表情に徹しているけど、一緒に屋敷に居たんだもの、伊織さんの小さな表情の変化くらい分かるんだよ??


この場所じゃ無かったら、はっきり聞くのに…
今のぁたしは、それが出来ない。



「もう少ししたら、ドレスの着付けが始まります…
女性スタッフ5名程手配していますので、1時間程で終わるとは思いますが、何かありましたら声を掛けて下さい」


「・・・
分かりました…」


何時もと変わらず…
いや、何時もより距離を離されている感じ。



「・・・・・」


伊織さんは出て行ったけど、何となく居心地が悪い…
ぁたしは、今の伊織さんと上手くパーティーを切り抜けられるの??



「・・米国に行っている間に、どことなく変わった気がする・・・」


何を‥と言われたら困るけど、留学前に屋敷で気楽に話していた伊織さんとは違う雰囲気…
このパーティーのせいなのか、それとも別の理由なのかは、離れているぁたしでは分からない。


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