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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第12章 思惑交差のパーティー



何故主任が?
それに、このエスコート役は、早乙女血縁の筈…
答えは直ぐに出たが……



「伊織さんは相変わらず固いわね、本当に誰に似たのかしら??」


「・・少なくとも、おばあ様に似なかったのは確かです」


「あら、言ってくれるわね…」


「くすくす…」


おばあ様、それに叔母様…
社長を朔夜と呼び捨てにするところを見ると、社長の姉で主任の祖母‥早乙女の血縁だったのか主任は……


今まで誰も知らなかった‥いや隠していたのか??




「・・姉さん!」


3人の会話の中に社長が…
これは本当に不味い。



「あら朔夜?」


「あらじゃないだろ、あれだけ一緒に行動しろと言ってあるのに単独行動か?」


「だって、可愛らしい美紀さんと話したかったのよ、少しくらい良いじゃない」


「朔夜叔父様、私ならお気遣い無用ですわ」


「だがな……」


これは完全な身内の会話、全て早乙女直系‥こう揃うのも珍しいのだろう。


少しだけ、この会話に気を取られた…
櫻井が腕を引っ張った時には、既に遅く……



「・・・
櫻井と黒崎も駆り出されていたのか……」


「「主任……」」


流石に見付かって、俺も櫻井も固まってしまう…


しかし‥今の主任は上質なタキシードに豪華な小物、髪型を少し変え普段掛けていない眼鏡を掛け…
俺達みたく良く知っている奴じゃなければ、別人と思ってしまう程。


違和感無く上流階級の人種、それもそうか早乙女の血縁だ、俺達なんかとは訳が違う‥まさか主任が……



「社長に見付からない内に行った方が良い」


「はい、すみません…」


これには反論の余地が無い、好奇心で此処まで近付いたのは俺達の方。


と、そこに……



「・・伊織さん?」


「・・何でもありません、次に回りましょう」


「ええ……」


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