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方違えた教師
第4章 三者面談当日
『そんな当たり前のこともできないの?お兄ちゃんは何も言わなくても自分でやってたわ。他人様に迷惑かけるのは勘弁して』

そんな言葉を思い出す。
私も必死で自分を見てもらいたくて頑張っていた頃。

それにしても、藤野先生は大人だ。母がどんな失礼な発言をしても丁寧に言葉を選び場を収める。
今まで、単なる担任の先生から私の中で印象が変わっていく。

「部活動は、文芸部に所属してこちらも休むことなく積極的に取り組んでますよ」

「文芸部・・・ですか」

きっと母は活動内容を理解していない。入ったことを報告した時も「そう」の一言で終わった。

「ただ本を読んだり文章を書くだけでなく、過去の文献研究などにも取り組んでいるようです」

(えっ・・・!)

なんでそれを先生が知っているの・・・?
驚きを隠せず、先生を凝視してしまう。

「この子が文献研究ですか・・・」

言葉の響きが母にとって良かったのだろう、悪い印象は持たれていない。

「特に、平安時代の文献が好きなようですね」

優しい目で藤野先生がちらりとこちらを見る。
先生から目が外せない。

「だから古典の成績もいいのかな。源氏物語は入試でもよく出るからね」

なぜ、なぜ先生がそこまで知っているの?
クラスメイトも先生たちも両親ですら、誰も私を見ていないし気にもしていないと思っていた。
テストの成績や提出物は、先生も仕事だから把握しているのもわかる。

でも、なんで放課後部活中に文献を読んでいることを、しかも源氏物語が中心であることまで知っているの・・・?
藤野先生から特別なにか気にかけられたことも、普段話しかけられたこともない。

クラスメイトですらほとんど会話しない。

この日から、私の中で藤野先生は「単なる担任の先生」から「興味深い先生」へと変化した。


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