この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
美しい貴方の血がほしい
第1章 吸血姫の恋




 甘い……ひと舐めした瞬間わかった。

 
 ずっと探し求めていた味だ。

 舌にからみつく、とろりとした感触に我を忘れる。咲きはじめのつぼみのように、かすかにひらいた薄桃色のそこにむしゃぶりついた。かぐわしい薫りがたちのぼり、呼吸を満たしていく。


「待って」


 苦しげにあえぐ声が、これ以上ないほど密着したくちびるの間から漏れ、彼の腕が馬乗りになっていた私の肩を押し戻す。


「息ができない」


 かすかに眉根をよせて私を見上げる目。いつものカラーコンタクトをはずしたその目は、ファンが見慣れた淡い青色ではなかった。

 仄暗い蝋燭の灯りに照らされて、黒く濡れた瞳が揺れる。


「これぐらいで?」


 私は両手をのばして彼の顔を柔らかくはさんだ。


「そんなに強く吸われたら苦しい」


 言うほど嫌そうには聞こえない。

 さらりと乾いた皮膚が心地よくて、そのまま首から上腕までそっと撫でてみる。彼は少しだけ身じろぎし、その口から甘い吐息が漏れた。


「気持ちいい?」


 私の指先はゆっくり、彼の首と胸とを往復する。


「くすぐったい」


「それだけ?」


 真上からじっと目を見つめると、彼は少し笑った。


「……わかるだろ?」


 そう、わかっている。


 彼の体は大きく反応していた。



「この時を待ってた」


 歓喜を抑えきれず、声が震える。


「今夜だけでいい」


 不意に下からのびた彼の手が、私が胸に巻いていたバスタオルを引く。はらりとほどけた純白の布はそのままはぎ取られ、私は生まれたままの姿になった。





 本能的に胸を隠そうとした私の手首を、彼のしなやかな指が捕らえる。


「本当に?今夜だけでいいの?」


 ささやくように言って、彼は身を起こした。

 はだけたバスローブが肩から滑り落ち、ほどよく鍛えられた裸身を長い黒髪が蛇のように這い降りる。


 思わず戦慄し、私は視覚だけでオーガズムに達しそうになった。

 多くのファンに妖艶とうたわれる完璧なメイクがなくても、彼は十分に艶やかで妖しく麗しい。


/3ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ