この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
君がため(教師と教育実習生)《長編》
第6章 【回想】里見くんの願望

「どちらの問題でもありますね。私は今仕事が楽しいですし、彼はまだ教員になる夢を諦めていませんから」

 教員一年目の小夜先生は、若かったせいか、生徒との距離も近かった。生徒たちと早く親しくなりたいという気持ちもあったのだろう。
 小夜先生は生徒からの質問にはたいてい答えてくれたのだ。
 どんなに答えづらくても。

「じゃあ、カレシが先生になったら結婚?」
「先生になるのって、難しいんですよ。私も大変だったんですから」
「へぇ! 大変なんだぁ……私、なれるかなぁ」

 教育大学へ進学する予定らしい女子をなだめつつ、小夜先生は苦笑する。

「カレシが先生になれなかったらどうするの、しのちゃん?」
「今の会社で正社員登用を待つ、ってところですね」
「それっていつ頃になるの?」
「三年以上先の話ですよ。だから、皆さんも、就職浪人しないように、大学卒業後のプランをしっかり立てておくんですよ」

 小夜先生の結婚は、早くて三年後。
 もっと早いと、一年後、か。
 俺に残された時間だ。なるべく、延長したい。いや、しなければ。

「しのちゃんはうちの先生なら誰がいい?」
「……難しい質問ですねぇ」

 言いながら、小夜先生の目が泳ぐ。女子たちは気づいていないようだけど。
 わかりやすいな。誰か、いるんでしょ。

 あぁ、誰が好きだったの?
 誰に告白したの?
 付き合ったの?

 気になる。気になる。気になるから、誰かもっと、突っ込んで聞いてみてよ。
/321ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ