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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第10章 しのちゃんの受難(六)

「あっ、あ、ん、っ」
「……小夜、いい?」

 私の腰を強くつかむ手。その強さに、彼の限界を知る。
 ふ、と笑みが浮かぶ。

「私の、中で、イキたい?」
「ん、っ、も、げんかい」

 少し腰を浮かして宗介の額に浮かぶ汗を舐め取る。少し塩辛い。ペロリと私が舌なめずりをしたのを見て、宗介の眉根が寄る。もう限界?

「小夜、小夜……お願い」
「なぁに?」

 自分の中にこんな嗜虐心があるなんて、知らなかった。宗介が悪い。煽ってくる宗介が悪い。

「イキたい、イカせて……奥まで、挿入(いれ)させて」

 耳元で求められるのは、なんて気持ちがいいのだろう。脳内まで震えてしまいそうだ。

「おいで」

 宗介が一気に肉棒を突き立ててきて、私の中は奥まで宗介のもので埋め尽くされる。揺すられ、奥まで穿たれ、私の体が跳ねる。
 あぁ、だめ、気持ちいい。

「あっ、あっ、そー、すけぇ」
「小夜、ごめん、イク」

 ぎゅうと抱きついて、びくびく跳ねる宗介の痙攣を受け入れる。汗だくになりながら、短い呼吸を繰り返したあと、深い深いキスをして。

 私、こんなにセックス好きだったかな……?

 なんだか、自分の知らない間に、未知の扉を開けてしまっているような気がしてならない。
 先月までは自分でも本当に淡白な女だと思っていたのに、だからこそ礼二に浮気されても仕方がないと思っていたのに。

 息を乱すほど、その行為に没頭するなんて。そして、それを、恥ずかしいと思わないなんて。

 やっぱり――不思議。
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