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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第12章 しのちゃんの受難(七)

 雨の日の朝、薄暗いベッドの上で、ただただお互いの熱を欲して貪り合う。
 奥まで、奥まで、一番奥まで、来て。

 獣のように荒く短い呼吸を吐き出しながら、その甘美な交わりに没頭する。
 なんて気持ちのいい行為――。

「ねぇ、小夜」
「あっん、な、に?」

 ゆっくり、お互いを高め合いながら、じっくり、キスをしながら、求め合う。

「好き、って言って」
「……」
「言って」

 昨日の夜、寝ぼけながら言った言葉を、再度言わされるのは恥ずかしい。けれど、たぶん、宗介はそれが欲しいのだ。欲しくてたまらないのだ。

 不安、なのだろう。
 私が宗介の立場なら、やっぱり言ってほしい。毎日でも、聞きたい。私を想う言葉を、恋人の口から、聞きたい。

「宗介」

 奥まで挿入して、子宮口をぐりぐりといじめながら、宗介は言葉を待つ。
 いや、だから、奥は、駄目だってば。

「好きよ」

 目が見開かれたあと、一瞬で宗介は破顔する。デレデレとした、しまりのない顔だ。

「小夜、もっと」
「好き」
「小夜、俺も好き」
「私も好き」
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