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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第13章 しのちゃんの受難(八)

「ひ、一晩中、いかされ続けるのも?」

 やっぱり。
 月曜日の様子から、そうなのではないかとは思っていたけれど。やっぱり、一晩中だったか。

「……あー、それはつらいですよね」
「わかる!? しのちゃん、わかってくれる!?」
「筋肉痛や倦怠感で、月曜日が怖いです」
「そう、本当にしんどいの!! なのに、徹さんたら『結婚したら毎日毎晩可愛がってあげる』なんて言うの! 仕事に行けなくなっちゃう!」

 あぁ、宗介もそのうち言いそうだ。
 二人とも、恋人の顔を思い浮かべて、自分を抱き締めるようにして、二の腕を撫でる。ちょっと、鳥肌が立った。

「……怖いわ」
「……怖いですね」
「……でも、気持ちいいのよ……」
「……わかります。しんどいけど、気持ちいいんですよね……」

 二人して、ため息を吐く。
 彼らにはもう少し、手加減して欲しい。切に、そう願う。

「でも、胸は使わないんですか?」
「胸?」

 智子先生はきょとんとしている。私もきょとんとしたあとで、「まさか」と呟く。
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