パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第14章 【回想】里見くんの協力者

「小夜は情に厚い子だから、そこを切り離さないとなかなか別れられないのよ。高村とはなかなか会っていないみたいだから、気づくのに時間がかかると思うわ」
「学園長代理は、高村礼二、さんを嫌っていますよね？」
「当たり前よ。恋人の親友に手を出そうとする男は嫌いだわ。親友の恋人だとは認めたくないくらいに、嫌っているわね。本当に、大嫌いよ」

　なるほど、彼女は小夜先生の知らないところで彼に口説かれていたということか。
　それは、最悪だ。なぜ嫌うのか、理由を説明するのも、しんどい。

　本当に、高村礼二には「節操」という言葉が欠落している。いや、まぁ、節操以外にも常識とか倫理観とかいろいろ欠けている。
　どうして小夜先生が高村と別れないのか本当に不思議だ。

「小夜は浮気には気づいているから、本当にあと少しだと思うのよ」
「……気づいていて、なんで別れないんでしょうね、本当に」
「本当に、ね」

　二人して顔を見合わせて、苦笑する。
　小夜先生を心配し、恋人と別れて欲しい人間が二人、ここにいる。不思議な感じだ。とても。

「私は小夜には幸せになってもらいたい。だから、あなたが本当に小夜のことを幸せにしてくれるなら、教育実習中に何かしらの結果を出して」
「結果、ですか」
「高村と別れさせるでもいいし、あなたが小夜と付き合うのでもいい。小夜から『里見宗介が学園に必要だ』と思われるのでも、構わない。もちろん、小夜の意思を無視して無理やりというのは駄目だけど」
「わかりました。やります」

　即答した。
　それくらい、やらなくてどうする。学園長代理の、小夜先生の親友の許可が得られたのだ。やらない理由はない。