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誰よりも君を愛する
第29章 美波先生

また黒い革張りの椅子にバスローブを脱がされて亜矢子は手足を拘束されてしまった。

『旦那様‥美波さんの事は忘れました‥教えることなんて出来ません‥』

良雄は怒ってはいなかった‥
以前聞いた裕子の言葉を急に思い出したからだ。
もし自分より美波の愛撫に亜矢子が感じたのなら‥それが悔しいだけだ。

『体で覚えた事はなかなか忘れるもんじゃないよ』

『私、旦那様の愛され方で十分満足していますよ?』

『何か妥協した言い方だなぁ‥もう、イイ。わかった‥』

良雄は亜矢子を残し部屋を出て行った‥

リビングで良雄は裕子に電話を掛けた‥

『もしもし、良雄君?‥久しぶりね‥』

『前に裕子が言ってた美波の最高の愛撫ての教えてくれよ』

『ええっ?何を知りたいの?どうやって?直接美波に聞いてよぅ、切るわよ』
‥プチ

『ケチだな~』
すると良雄のスマホに美波から電話が掛かってきた‥

『裕子から聞いたわ‥教えてあげましょうかぁ?お詫びとして。その代わりもうケンカはそろそろ終わりにするの、イイ?』

田中をあれだけ殴ったのだからそろそろ許せという事だろう。一生根に持つが、大人として友人関係は修復した方が良いだろう‥ 美波からも聞き出したいし‥良雄は承諾した。

『これから直ぐに実践だ!イヤホンで聞くから指示してくれ‥亜矢子は内診台で寝てるから‥』

『へぇ買ったの?』

『悪いけどお前んとこのより上質だよ(笑)』

『あら、そ。ハイハイ(笑)
それじゃ、アイマスクがあると良いわね‥あと手袋と綿棒も‥ある?あ、ミントもあれば‥』

『ああ‥』

良雄はイヤホンをセットし、スマホをバスローブのポケットに入れて亜矢子の元に戻った‥

『亜矢子、ゴメンね、1人にして。お水持ってきた。』

良雄はチェストからアイマスクと綿棒を取り出した。

『亜矢子、この時間僕だけの事を考えてね‥よそ見しないように目隠しするよ‥』

『怖くない‥ですよね?』

『大丈夫だよ。亜矢子はお姫様みたいに可愛く僕に愛されていて(笑)』

『はい‥』

良雄は目をそっと瞑った亜矢子にアイマスクを掛け診察室から手袋と口臭予防のミントタブレットを持ってきた。

『お水飲む?』

良雄は水を口に含むと亜矢子の口に流し込んだ‥

『旦那様‥もっと‥』

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