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誰よりも君を愛する
第32章 女同士

『美波お疲れさま~美波にしてはスゴくシンプルに愛してあげたのね‥』

亜矢子達の隣りのベッドルームへ移動して来た美波はベッドの上で裕子の太ももを枕にしながら亜矢子の余韻に浸っていた‥

亜矢子がなぜ良雄の妻になったのか、特別な女性になったのか‥

(そうゆう事だったのね‥)

良雄は結婚前から女はどいつもこいつも同じで気持ち悪いと言っていた‥

確かにそうだ。
女はセックスしながら頭のほんの片隅で別の事を考えている‥

女は感じながら考える‥
可愛く聞こえる鳴き方と可愛く見える喘ぎ方‥

女は感じながら考える‥
綺麗に見えるつま先の立て方を、女らしい足の開き方、美しく整えたネイルを見せる仕草‥

しかしセックスの最中に剥がれないように気をつけている‥。

バレバレだ‥

良雄はセックスに没頭していない女を見ると
演技されているように見えて頑張っている自分がバカらしくなり一瞬で萎えると言った。

そして見返りに結婚を仄めかす女‥

若い頃は性欲が勝りそんな女とでも出来たが年を重ねるごとに萎える方が多くなったと‥

(亜矢ちゃんは違ったのね‥フフフ)

亜矢子はハッキリ言ってだらしない女だった…
よく言えば何にも洗脳されておらず、知識もない、自然体の女なのだ。

セックスの最中に全く余計な事を考えていない女なのだ。

足の開き方、口の開き方、手足の動き、どれ一つとっても可愛くないし優雅さも美しさもない。

美波の愛撫を感じたままに身を任せながら、良雄にだらしなく微笑む顔は本当に幸せそうだった。

セックスの最中男に向かってだらしなく微笑む日本人女って何人いるだろうか‥

良雄は真っ白で無垢な赤ちゃんみたいな亜矢子が気に入ったのだ。

『美波に電話で教えられた愛撫を亜矢子がスゴく喜んだから直接してやってくれないか?‥亜矢子が喜ぶなら何でもしてやりたいから‥』


良雄の普通なら有り得ない頼みを受け入れたのは過去に美波も良雄にフラれ、良雄にコレほど愛された亜矢子に興味があったからだ。


(‥完敗‥私も亜矢ちゃんを認めるわ‥)

『ねぇ、良雄君のアタッシュケースって中身見た?』

『ん?裕子が泣いて喜びそうな物がたくさん入ってたわ‥フフフ』
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