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獣戦記 §ju-senki§
第1章 プロローグ
だがしかし
一度は千を上回った人口も、今では半分以下・・・。
その大きな理由として挙げられるのは
半獣狩り
人間を魅了する特殊なフェロモンを発する事が研究機関により解明され、半獣一族は男女関係無く人間の愛玩用にされる為だけに十年以上前から狩られ続けた。
ムツキには年の離れた姉が一人居た、17歳になり結婚も決まっていた彼女は、ある日一人で村はずれの畑に作物を収穫しに行くも、其処で待ち伏せしていた人間一族の男達に身を穢され、連れて行かれそうになった所を運良く通りかかった彼女の婚約者である男とその友人達に発見され免れた。しかしその1週間後、彼女は心を病み一人部屋で自害した。
戦おうにも人間一族の発達した技術の前には為す術もなく、ただ怒りを押し殺し涙を堪え、怯えて暮らし、身を潜める事しか出来なかった。
そして遂にムツキの父、一族の長である”グレン”は、獣人国「レキザン」へと同盟の申し立てをした。
獣人一族は武力に優れている。もう彼等に頼る他 道は無かった。
しかし条件として提示されたのは
「貴国の御息女 或いは 御子息を花嫁として献上されよ」
といった内容だった。
当時ムツキは5歳
グレンは何度もそれ以外の条件を提示したが、当時のレキザンの王は聞き入れようとしなかった。
そして月日は流れ、今日17歳になったムツキは
レキザンへと出発する。