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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!
「いやいや、真下ちゃん。これだけのフルーツを1,200円ぽっきりで食べれるのは安いって。杏奈、衣装代削っても、また食べに来たいよ」

 こちらも特別手当を貰い始めたらしい一流プログラマー杏奈は、その豊満な美女っぷりを隠すロリ衣装に、給料のほとんどを注ぎ込んでいるようだ。

 対するあたしは、太っ腹な新社長により、主任手当なるものがつくようになったものの(ちょっぴり)、その分を含めて毎月貯金をするようにしているため、贅沢品は御法度。いつも通りバーゲンでゲットしたモノトーン基調の格好をしている。

 金銭事情が違うあたし達三人は、こうして月に一度、「たまには贅沢してストレス発散してみたいよね」というぼやきから始まり、今では『女子社員だけで語る今後のシークレットムーンについて』という名目で、ただの女子会を開催。
 各々がこぞって調べ上げた特選スイーツのお店で、こうして食しては蕩け、至福な時を満喫……いや、会社繁栄のための真剣な親睦会を開いているのである!

 ……朱羽?
 ぶちぶちとした文句を交えての「絶対守って欲しい五箇条」(※あたしが勝手に短縮)とやらを説き、口を尖らせながら見送ってくれる。

 そこまで心配ならば一緒に来ればと衣里や杏奈は言うけれど、女だらけのお店に朱羽を連れて行ったらどうなるかなんて、火を見るよりも明らかだ。

 あたしは狼女達の群れの中に、朱羽を放り込むわけにはいかないし、なにより女子会存続維持のため、その提案は丁重にお断り。

 実は女子会の間、朱羽にも予定がある。
 ……というのも、やはり衣里からも置いてきぼりにされた結城が、朱羽を居酒屋に強制連行しているらしい。

 たまには男同士、愚痴でも言い合って親睦を深めるのもいい。その貴重なプライベート時間を、あたしは邪魔したくなかった。
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