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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!
 
「結城は衣里が好き。あたしは心からそれを応援している。あたしと結城との間に男女の愛はなく、あるのは友情なの。朱羽と結城のような」
「……っ」
「何度だって言ってあげる。あたしが心から好きでたまらないのは、朱羽、あなたよ。結城じゃない」

 伝われ。
 なんで朱羽がそう思ったのかわからないけれど、あたしは朱羽が好き。
 好きだから、色々と悩んでいるの。

 朱羽だけに向くあたしの想いを、他の男のへのものにしないで欲しい。

「だったら……」

 朱羽はあたしの手をつかんで、苦しげに言う。

「だったらどうして、ここ数日で俺を遠ざけようとする? どうして……」

 朱羽があたしを抱きしめてくる。
 腰をぐっと引き寄せられ、無意識にお腹を庇うようにして離れてしまった。

「どうして、嫌がる?」

 ああ、あたしの馬鹿!
 朱羽の顔が傷ついているじゃない。

 もしかして、原因はこれか!?
 もしかしなくても、これね!?

「これは、その……人の目があるし、恥ずかしいじゃない?」
「……」

 ああ、その目は、信じてくれていない!

「かき氷も、俺から渡されたのが嫌だから食べないんだろう?」
「違う違う、そんなわけない。これは……気持ち悪くて」
「俺が?」
「朱羽じゃなくて、お腹が!」
「……調子が悪いってこと? だから顔色が悪いのか? だったらホテルで寝てた方が……」

 せっかく沖縄に来て、海すら見れないのはご勘弁!

「調子が悪いわけじゃないの。ここでこうしていればきっと……」
「……陽菜。なにか、隠してないか?」

 ぎくっ。

 ……としてしまったのを、朱羽は見逃さなかったようだ。
 眼鏡のレンズがきらりと光る。

「陽菜。言って」
「な、なにもないから」
「陽菜」
「本当になにも……」
「陽菜。ここで俺に抱かれる?」
「いいいいい!?」
「俺、欲求不満だからすぐには終わらない。何度も何度もここでするけれど、それでいい?」
「いいわけないでしょう!?」
「だったら、言うしかないよね?」

 朱羽が笑う。
 でも目が笑っていない。

 朱羽の本気、という奴?
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