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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!
 
「陽菜が見た夢は、正夢になるのかな。一応は初夢だろう?」
「えええええ!? 食べ過ぎで太るってこと?」
「違うよ。陽菜が妊娠した方!」

 あたしは現実の朱羽に尋ねてみる。

「もしも結婚してないのに、あたしが妊娠したら、朱羽はどうする?」
「そんなの……決まってる。嬉しいに決まってるだろう? だって、俺と陽菜の子供だぞ?」

 そう笑う顔は夢の中の朱羽と同じで。

「多分俺、ガッツポーズをして泣き出すと思う。それは俺にとって、あまりに嬉しすぎるから。俺に家族が増えるなんて」
「朱羽……」
「だから、もし子供が出来た時には、迷わず産んで貰うから。まあ陽菜も、迷うことはないとは思うけれど」

 ……ごめんなさい、夢の中では思いきり迷っていました。

「俺と陽菜と子供と。そんな幸せな未来が待ち遠しいよ。でも子供は欲しいと思って出来るわけじゃないから、俺と陽菜を親にしたいって思ってくれる子供が早く見つかればいいなって思うけどね」
「……うん、そうだね」

 あたしは朱羽に抱き付きながら、密かにお腹を撫でた。
 
 確かに、ここに居たの。
 あたしと朱羽の赤ちゃんは。

 いつか、夢ではなく現実に宿ってくれる?
 あたし達をパパとママにして、さらに幸せにしてくれる?

「陽菜……」

 朱羽の唇があたしの頬から唇に滑り落ちる。

 ゆっくりと静かなキスは、あたしの唇を割った瞬間、情熱的になる。
 ねっとりと濃厚に絡み合う熱い舌。
 たくさん貪られているのに、それでもまだ足りないと朱羽の舌は、あたしの口腔内を蹂躙して甘く溶かそうとしてくる。

「知ってる、陽菜。今、抜いていないんだ」
「え?」

 朱羽が身体を揺らすと、ぐちゅりぐちゅりと湿った音がして、ぞわぞわとした快感が身体に奔る。

 まさか、お腹にいた気がしたのは……繋がっていたから?

 ううん、違う。
 あれはあたしの赤ちゃんだった――そう思いたい。
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