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Oshizuki Building Side Story
第5章 Coloring in a moon

――好きだよ、チサ。 

 チサだと思って抱いたあなたは、朝起きたら消えていて。
 あなたにとって一夜限りでも、俺にとっては永遠の恋の始まりだった。

――私の名前は、香月朱羽。あなたより年下ですが、頑張りますので色々教えて下さい。

 やっと会えたあなたには、結城さんがいて。
 俺の手を振り解いて、結城さんとセックスをしたあなたに傷ついたことはあったけれど。

 それでも、忘れられる恋ではなかった。
 俺の人生を賭けた恋だった。

 俺を選んでくれてありがとう。
 俺を愛してくれてありがとう。

 どれだけ俺が、あなたの愛に幸せを感じているのか。
 どれだけあなたが、俺の暗闇を光で照らしてくれているか。

 これ以上ないというほど愛しても、それでもまた愛してしまう俺の恋人。
 いくら伝えても、伝えきれない想いがここにある。

 あなたが欲しいすべてのものをあげる。
 だから、この先もずっと愛して欲しい。

 俺と永遠に、愛し合って欲しい。

 白かった俺の人生を、あなたの色で染めて欲しい。
 あなた以外の色など、俺は欲しくはないから。

「あたし、ああ、朱羽……っ」
「ああ、一緒に……っ」

 手を繋ぎ、キスをして。
 そして奥深く繋いで突いている箇所が、ふたり同時に果てを知らせる。

 すべてを繋げあい、汗を飛ばして同時に弾け飛び、俺は薄い膜越しに最愛のあなたの熱に包まれながら、快楽の奔流を迸らせた。

「く……っ」

 陽菜の腰を摑んで引き寄せ、より彼女の深層に向けて。
 俺が放つたびに、息を整え中の彼女が悩ましい女の顔を見せて甘い声を漏らすから、俺は愛おしさがとまらなくなって、乱れた息のまま彼女の唇を奪い、ねっとりと舌を絡ませた。

 抱く度に愛おしくなる。
 心も体も、あなたに溺れている。
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