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LOVE JUICE
第1章 電車で感じてごめんなさい
いつもの時間に起きる。トイレに行く。顔を洗う。朝ごはんはトースト。歯を磨く。制服を着る。髪を巻く。メイクは簡単に、それでいて入念に。全身鏡で身なりをチェックする。もう1段スカートを折る。

「行ってきます」

返事はない。いつものことだ。


最寄駅から3駅。乗り換えて9駅。
はじめの3駅は最寄駅始発の電車を利用し座って単語の小テストの勉強に費やす。前日にやれば済むとわかってはいるが、いつも忘れて寝てしまう。

(んー、今日の範囲長いな…insist,appeal,convince......)

焦る。どうしよう、やっぱり昨日やればよかった。
もう乗り換えの駅に着いてしまう。

しぶしぶ荷物を抱えて電車を降り、反対ホームの列に並ぶ。ターミナル駅だけあって、朝のラッシュ時にはホームから溢れそうなほど人が往来する。
もう2年以上通っていればその光景も見慣れてしまった。

リュックは体の前。電車の基本だ。
リュックを前に抱えた状態で単語帳を開くことは可能だろうか。左手でつり革、右手で単語帳……ダメだ、めくれない。

(しょうがないなぁ、混んでるけど頑張ってドアの隅に乗って寄りかかろう…)

綿密な計画を脳内で描きつつ、電車の到着を待った。
周りにはよく顔を合わせる乗客も並んでいる。お互いに毎日だいたい同じような時間に同じような生活をしているからだ。だからと言って、会話をするわけでもないのだけれど。

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