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サキュバスちゃんの純情《長編》
第12章 性欲か生欲か

「っ、は……んんっ」

 湯川先生の指と舌がするりと背中を這う。背を仰け反らせると、まだ中に残っている翔吾くんの肉杭を刺激してしまう。翔吾くんは一瞬体を震わせたあと、苦笑する。

「……あかりは、セックス好きだねぇ」
「二人が、セックス、好き、なんでしょ?」
「まぁ、俺も翔吾もあかりとするのは好きだな」
「でも、あかりも相当だよね」

 二人は頷いて、セックスが好きな理由を私のせいにする。酷い。私のせいだけじゃないでしょ、それ。
 そもそも、私はセックスが好きなのではなくて、食事のために……生きるためにセックスをしているのであって。
 別に、セックスがめちゃくちゃ好きだというわけでは。

「ほんと、気持ちいー。これからも気持ちいいこと、たくさんしようね、あかり」

 別に、好きでは。

「翔吾、あかりに抱きつきすぎ。はい、あかり。今から体洗ってあげるからおいで。隅々まで綺麗にしてあげる」

 す、好きというわけでは。

「これからも楽しみだなぁ」
「三人も、まぁ、悪くはないな」
「あかりは? しんどくなかった?」
「気持ち良かった?」

 二人の期待に満ちた目。
 ……好きではないと、思っていたのに。

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