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shigure**
第2章 春時雨
そんなことを喋っているうちに自宅の前に到着していた。

「わざわざすみません。本当にありがとうございました。ブランケットは洗って返します。」

「いえいえ。別にいいよ。家帰って他の洗濯物もあるから一緒に洗うし。」

先生はそう言って私がブランケットを差し出すのを促すように、私の前に手を出した。

「いえ…。流石に申し訳ないので…。」

「そう?じゃあお願い。じゃあ、ちゃんと鍵閉めて、夜も遅いから早く寝るように。」

「はい、本当にありがとうございます。それじゃあ、お休みなさい。」

私はそう言って車を降り、玄関先で先生の車を見送った。

ほんの10分程度の時間であったが、とても濃密で甘美な時間であった。
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