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shigure**
第1章 予感
「はぁっ…はぁっ…」
3階まで全力ダッシュで階段を上がったので息はすっかり上がってしまった。
ゆっくり歩いて動悸を収めながら、教室へ入ろうとした時ー。
ドンッ
教室から出て来ようとした大きな影とぶつかってしまった。
反動で思わず尻餅をついてしまう。
「いたた…。」
驚きで瞑ってしまった目を開けると、そこには
ーーあ、天多先生…。
天多先生は慌てて私の前にしゃがんだ。
「大丈夫?ごめんね、俺が急に飛び出したばかりに…。」
そう言って私の前に手を差し出す。
細くて長い、でも男らしい綺麗な指…。
私の胸はさっきとは違う意味で鼓動が早くなる。
「いえ、こちらこそすみません…。あ、ありがとうございます…。」
私が手を握ると天多先生はぐっと優しく私の腕を引っ張って立ち上がらせてくれた。
「君は2年5組の子かな?俺は新任の天多京輔。」
「は、はい…。2年5組の保科すばるです。」
こんな少女漫画のようなハプニングが新学期早々あるとは…。
思わず先生の顔を見つめる。
「すばる…。綺麗な名前だね。」
きっと先生は深い意味を込めた訳ではないのであろうけど、私はその言葉だけで幸せな気持ちになってしまう。
「それじゃあ…。2年5組の古文の授業の担当は俺だから、明日からよろしくね。今日は気をつけて帰るんだよ。」
そう言って優しい笑みを浮かべた先生は、私の横をスッと通り階段へと向かって行った。
先生の背中を見つめる。
背中を見てるだけでもドキドキしている…。
それに明日から古典の授業の度に先生に会えるだなんて…。
私は先生に握られた自らの右手を左手で抑えながら、自分の高鳴る胸に当てた。
3階まで全力ダッシュで階段を上がったので息はすっかり上がってしまった。
ゆっくり歩いて動悸を収めながら、教室へ入ろうとした時ー。
ドンッ
教室から出て来ようとした大きな影とぶつかってしまった。
反動で思わず尻餅をついてしまう。
「いたた…。」
驚きで瞑ってしまった目を開けると、そこには
ーーあ、天多先生…。
天多先生は慌てて私の前にしゃがんだ。
「大丈夫?ごめんね、俺が急に飛び出したばかりに…。」
そう言って私の前に手を差し出す。
細くて長い、でも男らしい綺麗な指…。
私の胸はさっきとは違う意味で鼓動が早くなる。
「いえ、こちらこそすみません…。あ、ありがとうございます…。」
私が手を握ると天多先生はぐっと優しく私の腕を引っ張って立ち上がらせてくれた。
「君は2年5組の子かな?俺は新任の天多京輔。」
「は、はい…。2年5組の保科すばるです。」
こんな少女漫画のようなハプニングが新学期早々あるとは…。
思わず先生の顔を見つめる。
「すばる…。綺麗な名前だね。」
きっと先生は深い意味を込めた訳ではないのであろうけど、私はその言葉だけで幸せな気持ちになってしまう。
「それじゃあ…。2年5組の古文の授業の担当は俺だから、明日からよろしくね。今日は気をつけて帰るんだよ。」
そう言って優しい笑みを浮かべた先生は、私の横をスッと通り階段へと向かって行った。
先生の背中を見つめる。
背中を見てるだけでもドキドキしている…。
それに明日から古典の授業の度に先生に会えるだなんて…。
私は先生に握られた自らの右手を左手で抑えながら、自分の高鳴る胸に当てた。