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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第6章 『仲間』
 暗い部屋の中、四人の女の子の寝息が静かに交わる。部屋の電気を全て消してもカーテンを通して外の明かりが薄く室内に部屋に届く。六畳の部屋の隅に敷かれた布団の中、反対側の壁際に並んで眠る女の子達の寝姿が暗さに慣れた目にはっきりと映る。

 …眠れるもんじゃない。とても眠れない。

 みんなが寝静まってから気付いたのだけど、いつの間にか僕の部屋には女の子の匂いが充満している。秋が深まって窓を開けることもない締め切った部屋の中、「僕のものではないいい匂い」が部屋に満たされている。

 結局みんなは僕の部屋に泊っていくことになった。部屋が一つしか使えないとなれば帰るかと思ったけど、すでにお眠モードを発動したハルナさんに付き合うように全員が泊っていくことになった。

 はぅ…ん…

 誰かの寝息が聞こえ、もぞもぞと寝返りを打つ音が聞こえる。

 だから眠れないって。

 女の子の匂いと寝息と。
 僕は布団の中、眠れない夜を過ごしていた。

 どのくらい時間が過ぎただろうか。明らかに寝ぼけた動きで誰かが起き上がった。
 ハルナさんだ。ふらふらとトイレに向かう。

 ぱちり、と電気のスイッチを入れドアが閉まる。しばらくしてトイレットペーパーを引き出す音と水を流す音。そしてトイレを出てすぐの洗面台で手を洗い、また寝ぼけた足取りで部屋に戻り…

 戻り…って、えっ!?

 ハルナさんは寝ぼけたのか僕の布団に潜り込んできた。

「ちょ…ハルナさん…」

 僕は他の皆を起こさないように小声でハルナさんに呼びかけ肩を小さく揺すってみる。

「ん…」

 小さく吐息を漏らしハルナさんが薄く目を開けた。

「寝ましょうよぉ…ショートケーキは単三電池では動きませんから」

 へ?

 ね、寝言?

 ハルナさんは再び目を閉じすやすやとこれぞ「THE・安らか」というべき寝息を立て始めた。
 しかし一体どんな夢を見ているのか。どんなシチュエーションでケーキを電池で動かそうというんだ?

 僕がどうしようか迷っているともうひとつの影が向こうの布団の上に起き上がる。
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