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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第6章 『仲間』
「ハルナ…布団そっちじゃないよ」

 シーカさんだ。どうやらハルナさんがトイレに立った時にわずかに目を覚まし、そしてハルナさんが間違って僕の布団に入ってきてしまったのに気が付いてくれたみたい。
 さすがヴォーカル、頼りになるよ。

 と思ったんだけど。

「ハルナ、起きなってば…」

 シーカさんが揺すっているのは…僕。ハルナさんじゃなくてこの部屋で唯一の男性の僕だった。

 シーカさんの声も明らかに寝ぼけている。
 シーカさんは寝起きが悪い。そんな寝起きの中慣れない部屋で薄暗い部屋で僕とハルナさんを間違えている。

「あ、あの…シーカさん。人違い…」

 僕は恐る恐る声を上げる。しかし後になって思えば僕のこのセリフも間抜けもいいところ。人違いって、僕のボキャブラリーはどれだけ貧困なんだろうか。

「ん~?」

 いつもと違って寝ぼけているシーカさんも何だかポヤポヤしている。僕の声が耳に入っているのかいないのか。

「起きないのぉ? もーしょうがないなぁ…」

 入ってなかった。まるっきり、ちっとも。
 シーカさんは言うやいなや僕の横にごろんと寝そべる。

「シーカさん…シーカさんってば」
「うぅん…寒い…」

 ごそごそっとシーカさんが布団に入ってくる。暖かい布団から出て冷えてしまった体を温めるように僕にぴったりと寄り添う。

 というかくっつく。密着。
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