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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第6章 『仲間』
 シーカさんの顔が僕の目の前。僕の視界いっぱいにシーカさんの顔。
 シーカさんの寝息を僕が吸い込めるくらいの距離しかお互いの顔は離れていない。

 おいしいシチュエーションだけど、さすがにこれはマズイって。

 いくら僕が卓越した『痴漢脳』の持ち主でも、この時ばかりは悪戯をしてやろうとか、そんなことは考えられなかった。

 だってもしもバレたら後でめっちゃ怒られるだろうし、もしかしたら仕事もクビになるかもしれないし。
 引っ越したばかりで仕事を失うのはマズイ。

 なのにおちんちんはガッチガチ。理性と性欲って関係ないんだな。
 そりゃ触れるなら触りたいし偶然を装って唇同士を触れさせてみたい。

 だけども僕は意志の力を総動員して性欲に負けそうな体を抑え込み、シーカさんを起こさないように静かにゆっくりと体の向きを変える。シーカさんに背中を向けるためだ。そうなれば仮にシーカさんがもっとくっついてきても唇が触れずに済む。

 時間をかけてやっと体の向きを変えられて僕はほっと息をつく。途中で目を覚まされたらそれこそ痴漢扱いをされてしまうかもしれない。

 ぎゅうっと背後から腕が回され背中にぴったりとシーカさんが貼り付く。
 背中に感じる暖かな温度。二人の体の間で柔らかく潰れる二つの胸の感触。

 僕はシーカさんの体を見たことがある。一糸まとわぬ姿を隅々まで。
 ただしその時は一切手を触れることは許されなかった。

 なのに今、寝ぼけているとはいえシーカさんの方から僕に体を寄せ腕を回してきている。もしもその腕が後少し下にずれれば僕のギンギンになったムスコ君に触れてしまうかもしれない。それを期待するような、そうなるとマズイような、そんな気持ち。
 いつのまにかシーカさんの大きな武器のひとつの綺麗な足が僕の足に絡み付いている。
 
 心臓が興奮で高鳴る。あんまりうるさくて僕の横で眠るシーカさんとハルナさんを起こしてしまうのではないのかというほどに。
 僕はただじっとしていた。それしか出来なかった。
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