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蝶が舞う時
第10章 新しい果実
菜摘と美咲は夕食の準備に取りかかった。

キッチンで賑やかに作業を進めていると、菜摘が突然

「おじさん、ごめんなさい。焼き豆腐と糸こんにゃく買い忘れた!」

「ああ、じゃ買ってこようか?」

「そうねえ、後幾つかあるから、菜摘も行く。美咲ちゃん、留守番お願い!」

「はーい! 美咲でもできることをやりますね。」

「美咲ちゃん、お願いね!」


俺と菜摘は車で近所のスーパーへ向かった。

車内で菜摘が

「おじさん、今日の昼間に美咲ちゃんが色々尋ねてきた。」

「何を?」

「菜摘とおじさんは何時からHをしてるのとか、おじさんとHしてる時はどんな感じとか…」

「菜摘はどう答えた?」

「正直に答えたよ。おじさんと繋がっている時が一番幸せとも。」

「はい、おじさんも幸せだ。」

「おじさん、茶化さないで!」

「美咲ちゃん、寂しいんだと思う。誰かに抱かれて安らぎを感じたいのかも。」

俺が黙っていると、

「おじさん、美咲ちゃんを抱いてあげて。」

「何でおじさんが美咲を?」

「おじさん、美咲ちゃんはいや? タイプじゃない?」

「菜摘、自分の言ってることが判るか? おじさんは、菜摘の恋人だろ。菜摘は平気なのか?」

「平気じゃない。けど美咲ちゃんは菜摘の妹の様なもの。菜摘の分身のような存在。」

「美咲ちゃんがあのサイトに掲載したのは、お金の為だけでなく、自分をしっかり抱きしめて欲しかったから。」

「それに、相手が美咲ちゃんだったら菜摘も安心する。」

「おじさんは菜摘の考えが理解できん。」

「菜摘、一回でも抱いたら、以後その関係はずっと続く。菜摘は耐えられるのか?」

菜摘はゆっくりと頷く。

「おじさん、これだけは忘れないで。」

「美咲ちゃんは何時かは去って行くけど、菜摘は最後までおじさんと一緒。」

俺は何も答えず、車をスーパーの駐車場に停めた。




食材を買い揃えてからマンションに帰り着く。

「あっ、おじさん、お姉ちゃんお帰りなさい。」

「お姉ちゃん、ホウレン草のお浸し作ってみたけど。」

「美咲ちゃん、やるね!」

菜摘は急いで料理を再開する。

菜摘と美咲がキッチンで作業する姿はまるで姉妹の様。

俺はしばらく二人を眺めていた。

「はーい! おじさん出来たよ。」



俺は美咲と目が合った…



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