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蝶が舞う時
第3章 条件
食材の買い出しから戻り、時計を確認すると夕方の4時を回っていた。

とりあえず買い物袋をキッチンに置き、菜摘の様子を見ることに

寝室中央には大きめのダブルベッドがあり、その右側には一人用のソファーとミニテーブル。

菜摘はピンクのトレーナを着て、ベッドのやや左側で横向きに寝ていた。

起こさない様に静かに近づき、ベッドの隅に腰掛けて菜摘を見つめる。

毛布から顔だけ出した菜摘の髪の毛をそっとかき揚げると、顔全体が現れた。

その風貌は明らかに15~6歳の少女にしか見えない。

ゆっくりとベッドから立ち上がった時、クローゼットのハンガーに掛けられた菜摘の制服が目についた。

制服のポケットに手を入れると、先程の学生証と財布が…

俺は静かに財布を取り出し、中身を確認すると、百円硬貨3枚と10円硬貨が4枚。

これが菜摘の全財産…

財布をポケットに戻し、寝室から出て料理に取り掛かる。



キッチンで悪戦苦闘して出来上がった時は、既に6時過ぎ。

そろそろ菜摘を起こさないと…

寝室に入って菜摘の側に腰掛け、

「菜摘ちゃん、菜摘ちゃん!」と軽く肩を揺らす。

菜摘はゆっくり目を開けて

「すみません、今何時ですか?」

「6時過ぎだよ、どう?少しは眠れた?」

「は…はい、久し振りに眠れました。」

「余り眠ると夜が眠れなくなるから、それに夕食もできたし。」

「すみません…」

「夕食の前にお風呂にでも入るといいよ!疲れが取れるから…」

菜摘はゆっくり頷く

キッチンに戻ると菜摘が部屋から出てきたので

「お風呂はそこのトイレの横だから」

菜摘は頷くと先にトイレに入った後、風呂場に向かうドアを開けて中に入った。

その間俺はカレーとサラダを盛り付け、引き出しからスプーンとフォークを取り出して二人用の食卓テーブルにセットする。

(あっ!バスタオルを出さないと)

俺は寝室の棚からバスタオルを取り出し、浴室の外の脱衣場に置くと

「バスタオルここに置いとくから。」

突然の俺の声に驚いたのか、刷りガラス越しの菜摘はじっとしている。

「は、はい…」


脱衣場を出ようとした時、籠の中の丁寧に折り畳んだ菜摘のブラジャーとパンツが目に入った。

俺はそっと手に取る。

その瞬間、俺は菜摘に女を感じた。


そして下着を戻し、静かにキッチンに戻った。



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