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《愛撫の先に…②》
第4章 あたしには予言は視えない!!
✿✿✿✿✿

スーパーで偶然出くわしたたまごホリックの男へ興味はないと言った日から菜々美は少し罪悪感を感じた。

あたしの名前を呼んだだけなのに興味はないと言ってしまった、あの人傷ついたかな?
でもあの人最初っから馴れ馴れしくて引いちゃうとこあるから、、。

それにしても陽子ってば、あたしには美しい男性がいるから、なんてあんな場所で言っちゃうなんて恥ずかし過ぎる、、、。
美しい男性って…
結城さんは確かに美しいけど…
美しいと言われる男性側の気持ちはどうなんだろ…

そんな事を考えながら帰宅するのは陽子の[紹介なんて菜々美は次から次へと男を替えてくような器用さなんてないから焦らずゆっくりがいいと思うよ]というメールを昨夜もらってからになる。

焦らずゆっくり?
あたしの性格上相沢さんみたいに男の人を待ち伏せてまでグイグイいくタイプじゃないから、焦らずゆっくりなんてオバサンになっても独りぼっちだったりする?

オバサンになって独りぼっちなのかな?

陽子からすれば焦らずゆっくりというのは菜々美をかこむ周りの男性をよく観て自分が大切にしたいと思えるのは誰か?という意味合いなのだが、菜々美はそうはとらえていないようだ。

バス停から歩いて帰宅すると宅配の若い男が不在通知をポストに入れようとしていたが菜々美の存在に気がついて振り返る。

『結城さんですか?良かった〜』
カートに置いていた箱を彼女に差し出して安堵する。

『あたし結城ではなくて…』
うろたえる。

『結城さんでしょ?』
結城ではないなら何で結城の表札がある家に帰ってくるのか?と言わんばかりの表情だ。

『あたしは居候で…あたしは江崎菜々美と言って結城さんとは全然関係が…』
うろたえる。

あたしは見ず知らずの人に何を言っているの?
全然関係ないと言っても結城さんが借りた家に住んでいるじゃない。

『この家に住んでいるんでしょ、鍵出してたの見ているんで受け取りお願いしますよ』
店員はサインをほしいと伝票の枠を指さした。

宅配便の店員は安堵し結城と書かれた受け取り伝票を受け取りトラックへと走っていく。

受け取りを強く要求するのは荷物が要冷蔵だからだ。
送り主は結城聡と書いてあり菜々美は、その人物の名前を1度だけ聞いていた。
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