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君を好きにならない
第5章 若いな、お前

女の名前を呼んだせいで

俺が
本当にキスをするとでも
思ったのか

真琴は咄嗟に
スズっとソファへ
ずり上がった


くそっ

抵抗しなきゃ
軽いキスくらい
してもよかったのに


「しねーよ、バカだな」


「あ、焦ったーー」


そんなに
俺とキスすんのが
嫌なのかよ


ちょっとカチンときた俺は
有無を言わさず
真琴をぎゅーっと抱きしめ


「次は
違うパターンな」


と呟いた


「えっ」


「ソファに座れよ」


「あっ、は…はい…」


真琴が
戸惑いながらソファに座ると


「キスは嫌だよなぁ?真琴」


「あ、いや
あ、嫌じゃなくて
その…まさかっていうか
ぼ、僕は男だから
あ、む、向井さんっ」


俺は
真琴の言い訳を聞きながら
ゆっくりと
真琴のシャツのボタンを
ひとつずつ外した


「なんだ?文句あるか?」


「い、いえ」


「じゃあ黙ってろ」


「……」


シャツのボタンが
全て外れると
真琴を軽く押して
ソファにもたれかからせ
俺は
真琴の顎に人指し指を置いた


そしてその指を
ゆっっっくりと動かし
真琴の素肌の上をヘソまで滑らせると

真琴の喉仏が
一度大きく動いた


「真琴、舌入れるか?」


「えっ」


「舌を入れるテイかって聞いてんだよ」


「えっ、あ、はい…じゃあ」


「わかった」


ヘソで止まってる指を
ゆっくりと動かし
また顎まで指を戻すと
俺は
真琴に顔を近づけ
その指で顎を持ち上げた


「目、閉じろ」


「…っ」


「ほんとにしたりしねーから」


「……」


真琴は
ぎゅーっと目を閉じ
そして
軽く唇に力をこめた
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