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君を好きにならない
第5章 若いな、お前
「リラックスして想像しろ。
せっかくやってんのに
意味ねーことになるぞ。
今
キスされてると思え。
思い出せよ
キスした時のこと」
真琴は
黙ったまま
コクコクと頷き
そして
目と口の力を抜いた
なぁ
お前が今頭の中に描いてる
キスの相手は
どんな奴だよ
なぁ真琴
どんな奴と
最後にしたんだよ
その時だった
真琴が
俺のシャツを
ぎゅっと握りしめた
「そのまま
うつむくなよ」
そう真琴に伝えて
軽く顎を押すと
指が入るくらい
真琴の唇が開いた
「こうすれば
舌は入れられるんだ。
もちろん
酔ってるテイだ。
後輩から
出したっていい」
「……」
「出せよ…真琴」
すると
真琴の
割れた唇から
濡れた舌が俺を欲情させた
舐めたい。
このまま
舌を重ねて
真琴を
熱くさせたい。
そんなこと
できねーけど。
「終わりだ。
こんなもんでいいか?」
こんなことしても
どうしようもない
そう思うと
一気に
何やってんだ…俺
って気分になって
俺は
真琴から
身体を離した
「だ、大丈夫です
ありがとうございました」
真琴は
ソファから身体を起こし
ちょっと前髪で
顔を隠しながら
そう答えた
「もうちょい
ジャれた感じがよかったか?
なんか
そーゆー感じじゃなくて
悪かったな」