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君を好きにならない
第7章 攻められました
真琴とのキスは
ものすごく
久しぶりのキスだった
はず。
それなのに
どこかで俺は
最近キスをしたような…
少し前にも
脳が溶けそうな
そんな感覚を
味わったような気がしていた
キスした記憶なんて
なかったのに。
それが
まさか……
「嘘ばっか言うな」
「ほんとです。
覚えてないかもしれないけど」
「信じねー。
そんなことするわけねー」
「…そう…ですか。
覚えてないなら
仕方ないです。
俺は、忘れないし
忘れられないけど。
馬鹿だな、俺(苦笑)
ちょっと
脈あるのかなって
勘違いしてました」
ほんとか?
ほんとに
やったのか?
正直
全く覚えてなくて
マサシの虚言なのかどうなのか
判定ができない
「いづれにしても
脈はねーよ。
いい加減あきらめろ」
「嫌です」
「お前…」
「好きな気持ちは
勝手だと思います。
好きだって気持ちくらい
勝手にさせてください」
それ以上
俺は
何も言えなくなってしまった。
好きな気持ちくらい
自由にさせて欲しい。
あの頃
アイツを
好きという気持ちを
持ってるだけで
俺は幸せだった。
だから
俺は何も言えないよ、マサシ
その気持ちさえも
奪われてしまってから
俺は
地獄だったから。