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君を好きにならない
第10章 帰る場所


「どこか
行きたいとこあるのか?」


「とりあえず
映画は行きたいです。
バリバリの恋愛もの」


真琴は
八重歯を見せながら
嬉しそうで


「あー…映画きっかけで
二人が仲直りするからか?」


「そーそー!
あとはドライブできたら
最高!」


話が盛り上がると
つい
タメ口になるとこも


可愛い


「ドライブか…
俺もドライブは久しぶりだな」


「そうなんですか?!
じゃ、決定!!」


真琴は
すぐパソコンに文字を
カタカタと入力し
ドライブの行き先を
検索し始めた


「真琴」


「ん?」


「お前、免許持ってんのか?」


「持ってないですけど
なんで?」


助手席オンリーかよ(笑)


「そうか(笑)
まぁいい
行き先決めとけよな」


そう言って
真琴の髪をクシャっとやると

真琴は
八重歯を見せながら
親指を立てて笑い

俺は
もう一度
髪をクシャっとやってから
すぐ風呂場へと向かった



俺が

真琴に触れたのは



あれ以来はじめてで



その時
急に溢れ出した
なんとも言えない感情で



俺は



泣きそうなほど


やっぱり
真琴が好きなんだと
実感した
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