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君を好きにならない
第11章 一筋の涙

「ふぅー…」


チェックを終えると
俺は
シャワーを浴びて
静かにベットに転がり

ぐっすり眠ってる
真琴の顔をじっと見つめながら
心の中でため息をついた


もうちょっとだな…真琴


真琴の小説は
残すところ
最終章のみ


それも
さっきチェックした感じでは
かなりいい出来で
問題はなさそうだ


あとは

丁寧に書き上げるだけ。



そこに
真琴は時間をかけるタイプだが
締め切りも間近で
この寝顔を
みられるのも
そう長くはない


真琴は
布団を抱き枕のごとく抱きしめ
俺の方を向いて
無防備に眠っていた


無邪気な子供が
遊び疲れて眠ってるような寝顔が
たまらない


一度でいい


お前を
抱きしめたまま
眠ってみたかった


一度でいい


お前に

抱きしめられたかった




真琴は
『変わらない』と言ったが
あれから
『ごっこ』を頼まれたことははい


きっと

このまま最後まで
頼まれることは
ないだろう


頼まれたところで


俺も
どうしていいのか
分からないけど…。


真琴が
俺を好きにはならないことも
数か月後には
ココから居なくなることも
頭では分かってるが
心はうまく変化してくれない


切なくて


突然
悲しみに襲われる毎日



俺は


ベットから手を伸ばし


そっと
真琴の髪に触れると





一筋の涙を流した




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