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君を好きにならない
第12章 好きにならない

それから
お互いの性遍歴を
面白おかしく話したりしながら
酒を飲んだ


誰でも酒を飲むと
本性を現すというが
マサシは
甘えた猫のようになるようで
なかなか面白い


いつもは
男らしくいねーとって
気を張ってんだろう

酔うと
しゃべりは穏やかで
目尻は下がり
よく笑うし
すぐそばに座ってるせいか
時々
俺の腕や手にも触れたりもする


笑う時や照れた時に
口元を手の甲で抑える仕草は
頻繁で

男と寝る時も
そうするんだろうか…と
想像を掻き立てられる


「マサシ
セフレ欲しいって言ってたけど
どんな奴がタイプなんだ?」


「そうだな…
優しくリードしてくれる人が
いいです」


「見かけによらず
とことんネコだな」


「あー…そうかも。
甘えてみたいです。
恥ずかしいけど」


そう言って
マサシは口元に手を置きながら
視線を外した


「司さん
最後にやったのいつ頃ですか?」


「やったのなー…
かなり前すぎて忘れた(笑)」


「やりたくないですか?」


「やりてーよ」


「俺もやりてー(笑)」

お互い男が好きだが
男だからこそ
成立する会話だ

「あの時…」


「あの時?」


「お前に初めて会ったあの時
マジでお前とやろうと思ってたんだ」






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