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君を好きにならない
第13章 追跡
3日後


約束通り
マサシは今日も
マンションの近くで
俺を待っていた


昨日は
一緒に飯を食い
酒を飲み

お互い
真琴のことには触れず
他愛もない話をした


好きとか嫌いとか

そんな話も…無かった


けど


今日のマサシは
違っていた



「真琴さんから連絡ありましたか?」


「いや…なんもねぇ」


「仕事のこととかも全く?」


「あぁ」


真琴に
困ったことがあったら
連絡しろって言ったのに

真琴からは
一度も連絡は無かった


「仕事が順調ってことですかね…」


「それならいいんだけどな」


「司さん
そのために真琴さんを
アパートに帰したんですから
大丈夫ですよ」


「そうだな。
そうでないと
やってられねぇよ(苦笑)」


「一人になって…どうですか?」


「ん〜…」


「寂しい…ですか?」


「まぁ…そうだな。
平気じゃあねぇよ」


正直
そんなもんじゃない

家にいる時間
真琴を忘れることはないんだ

リビングで
ブランケットを
手放さない真琴

台所で
背中を丸めて
食器を洗う真琴

風呂場で
シャワーに濡れて
大声を出した…真琴

俺の隣で
子供のように眠ってた

真琴…


真琴の色々を
思い出すたび
俺の胸の奥が痛み
涙が込み上げていた


「そうですよね…
俺でさえ
数回しか来たことのない
司さんを思い出すんですから」


「どうした」


「え?」


「そんなこと聞いたのは
はじめてだな」


「友達だって
クギを刺されましたから(苦笑)
一昨日、好きとか
言っちゃいましたけどね(笑)」


「そうだったな(笑)」


「約束破ってすみません」


「かまわねーよ」


「俺の気持ちなんて
バレバレですもんね(笑)」


「そうだな(笑)」


「真琴さんの話も…
しないようにしてたんですけど
あ、司さんが
したくなかったらやめますけど
妙に避けてるのも変かなって。
辛いこと言葉に出せば
軽くなったりするじゃないですか。
だから…遠慮しないで欲しいなって」



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