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君を好きにならない
第17章 見たことのない景色


「帰ったぞー」


「おかえりなさーい」


な、なんだなんだ?

真琴が珍しく
玄関までやってきた


「珍しいな」


「何が?」


「俺を出迎えんの」


「そうですか?」


嘘だろ

気付いてねーのかよ
帰ってきても
顔も見てくれない時の
俺の寂しさ


「あーなんでもねー。
腹減っただろ?」


「はい!」


なんで元気なんだよ
子供かっ!


「機嫌いいじゃねーか」


「直しほとんどなかったから。
それから、ちょっと進んだから」


「そーかそーか。
よく頑張ったな」


そう言って
真琴の頭に手をやると

真琴は
俺を見下ろしたまま
唇を合わせた


「ん…」


だから


立ったまま
お前にキスされると
女になったみたいで
調子狂うんだって!


嫌じゃ…ねぇけど


「やっとできた」


「何が」


「早く向井さんと
キスしたかったから」


そーゆーことを
サラッと
言うなってーー


「もう小説書いてたら
向井さんのことばっか
思い出しちゃって」


そりゃそうだよな
俺もそうだったし


「あ、僕も手伝います。
ご飯作るの」


それから俺は
なんだか機嫌のいい真琴と
飯を作り
夕食をすませた

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