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君を好きにならない
第18章 え?マサシじゃねーの?


「え!何?!
もうこんな時間?!!」


夕方になって
ようやく目覚めた真琴は
ソファから飛び起き
かけていた毛布を
膝にかけながら
また
パソコンに向かった


え…

俺、今日
久しぶりの休みで
お前起きるの
待ってたんだけど…


とは思ったが
締め切りは近いのに
最終章だけでなく
今まで書いたとこも
直しにかかってる真琴に
そんなことは
言えなかった


「向井さーん」


「あ、ん?なんだ?」


「僕このまま
夜中まで仕事だと思います。
昼できなかった分
やんなきゃだから
カタカタカタ…」


「あ、あーそーだよな。
うん、わかった」


しょぼん。


「だから
カタカタカタ…
バーとかに飲みに行ったら
どうですか?」


「え?」


「マサシさんのことも
気になるなら
様子見に行って来て下さい
カタカタカタ…」


「あ、あぁ…」


「大丈夫です
僕は気にしてませんから」


そう言うと
真琴は手を休めて
俺を見て
余裕のある笑顔を見せた


身体で繋がったことで
こんなにも
心に影響があるのか…


「わかった。
じゃあ…行ってくるかな。
久しぶりに」


「はい。
この仕事が終わったら
約束通り
僕も連れてって下さいね?」


「あぁ」


「じゃ、僕仕事しますね」


「おう」


「カタカタカタ…」


「あ、ちょ、ちょっと待て」


「え?」


「一回くらい…」


そう言いながら
俺は真琴に近づき


「抱きしめてくれよ」


「向井さん…」


あ、あれ?
俺、猫みたいじゃん


抱きしめさせろ

じゃなくて

抱きしめてくれ

とか言って(苦笑)


まぁいいか

甘えるのも
悪くない

思い切り歳下の
天然な猫になら
俺でも甘えられそうな
気がする


俺の珍しい言葉に
手を止めた真琴は
俺を甘く抱きしめ
そして
熱いキスをしてくれた


キスが終わると
真琴はなんだか妙に
嬉しそうな笑顔で
俺に八重歯を見せた


「好きです」


「俺も」
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