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君を好きにならない
第18章 え?マサシじゃねーの?


「なぁ、マサシ
岸本、さっきお前のこと
ショーキって呼んでなかったか?」


すると
マサシは少し照れた顔をして笑った


「俺、本当は
マサシって名前じゃないんですよ」


「え?!」


「最初は本名言うの警戒してて
昔好きだった男の名前
教えちゃいました。

けど
もしも司さんが
あの日部屋に入ってくれたら

本当の名前を伝えて
翔輝(ショーキ)って
司さんに
呼んでもらおうと思ってました」


「そうか…」


「残念ながら真琴さんに
連れて行かれちゃいましたけどね」


マサシはそう言って苦笑いを浮かべた


「あの時は…世話になったな」


「そんな…
俺は楽しかったですよ。
あの後結構凹みましたけど(苦笑)」


マサシは
その時のことを思い出したのか
少し遠くを見るような目をしてから
俺を見つめた


「真琴さんとうまくいってますか?」


「あーうまくいってるよ」


「よかったです」


「お前は?
岸本とうまくいってんのか?」


「…はい。
恥ずかしいけど」


「何が恥ずかしいんだ?」


「コータは
すごく歳下で学生だし
司さんに俺
失恋したばっかりなのに…」


「失恋したばっかだから
好きな相手が見つかるんだよ。
岸本はいい奴だろ?」


「…はい」


「失恋したお前に
優しくしてくれたんだろうなぁ」


「…はい」


「歳下でまだ学生な岸本だ。
色々と心配で
お前もほっとけないんじゃねぇのか?」


「そう…ですね」


「お前、世話焼きだし
お似合いじゃないか。
さっき
岸本といる時のお前は
いつものお前らしくて
…なんかよかった」


「…ありがとうございます」


「うまくやれよ?」


「はい。司さんも」


「そーだな(笑)
お互い歳下が相手だ。
なんかあったら
これからも相談にのってくれよな」


「はい(笑)」

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