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君を好きにならない
第18章 え?マサシじゃねーの?
「向井さん」


「ん?」


「腕枕して」


「疲れたのか?」


「ううん。
向井さんを
ぎゅってしたいだけ」


「…そうか」


布団に包まり
ぎゅってしたいと言った真琴を
抱きしめると

真琴は
「僕が抱きしめるって言ったのに」
って言いながら
クスッと笑った

「腕枕したらこうなるだろ?」

「そうか(笑)」


「気持ちいいな」


「うん、気持ちいい」


こんな話をしているのに
ゆったりと流れる時間が
心地いいから不思議だ

真琴がいる

それだけで
全てが満たされている
気がする


「続き、話していいか?」


「うん」


「俺な、そいつが
気持ち悪いなんて
言うと思ってなかったんだよ。
せめて…
俺は好きにはなれないけど
これからも友達で…とかさ
(苦笑)

それから
ノンケがトラウマになって
真琴のこと
好きになっても
ずっと臆病になってたんだ

ごめんな」



「向井さんが
ごめんなんて言わないでよ。
向井さんは
なんにも悪くないじゃん」


そう言ったあと
真琴は俺を見上げて
こんなことを言った


「ねぇ

その人より
僕が好き?」


何言ってんだよ


「好きだよ。
愛してる。

覚悟しろよな。

俺は真琴が
死ぬほど好きだ」


そう言って
柔らかな髪の上から
おでこにキスをすると

真琴は
照れて笑った


「…よかった。

ずっと気になってたんだ。
ココに
なんでも2つあること。
その人と
付き合ってたんだと
思ってたけど…違ってたんだね。

…友達だったのに…」


真琴は
友達だったのに
気持ち悪いと言ったことに
言葉を詰まらせた



「真琴の友達は
恵まれてるな。
みんなから理解してもらって
幸せだ」


「そうだね…
それが普通だと
思ってたけど」


「真琴もそうだ」


「ん?」


「お前がゲイと付き合っても
友達は理解してくれるだろうし
仕事だって
お前がゲイでも全く問題ない」


ゲイをカミングアウトしても
平気で生きていくには
まだ少し肩身は狭いんだ


「…そうだね。

でも向井さんには
僕がいるから

ずっと僕がいるから」


そう言うと
真琴は
俺を胸の中にしまうように
優しく抱きしめた


「だから

苦しまないで」



「…っ…真琴…

真琴…っ…」

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