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君を好きにならない
第2章 真琴!死ぬなよ!
「真琴、着いたぞ」


「あ…はい…」


相変わらず
脱力感半端ない真琴


俺は
そんな真琴を
なんとか部屋まで移動させて
ベッドに座らせた


「何もそんな一気にやんなくても…」


小説のことだ。
焦る気持ちは分かるけど
飲まず食わずでやれなんて
俺は一言も…


「…すみません…」


「飯食わねーとダメだって言ったろ?」


俺は
返事の曖昧な真琴に
ブツブツ文句を垂れながら
ジャケットを脱がせ
次はパーカーのファスナーを
一気に下ろして
そのパーカーを剥ぎ取った


「…はい…でも忘れそうで…

せっかく思いついたやつ
忘れそうで…

…止まんなくて…」


とにかく
着替えさせて
寝かせてやんねーと…


「早く…
向井さんに見せたくて…」


…俺に?…


可愛い奴だな


そう思いながらも
そんな気持ちを誤魔化すように


「わ、わかったわかった
とにかくこのままじゃ…」


そう言いながら
まだ身につけてる
汗で濡れたTシャツを
真琴に引っ張って見せた


「あ…はい…」


真琴は
やっと自ら着替える気になったようで
トロンとした目のまま
濡れたTシャツを一気に脱ぎ捨て
また…背中を丸めて脱力した


当たり前だ

服を脱ぐことに
躊躇いを持つわけがない


俺達に
何かを躊躇う関係なんて
ないんだから


そう分かっていても
真琴の想像通りの痩せた身体と
いかにも『若いな』
と言いたくなるような肌が
俺の目を奪った


その時だった


『カチャ…』


…あっ…


真琴がベルトに手をかけたんだ


俺は咄嗟に
真琴の脱いだ服を手に取ると
ドアに向かって歩いた



「なんか…

着替え持ってくるから」

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