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君を好きにならない
第3章 誘ってんのか?

「あ〜食った食ったぁ〜…」


「向井さん!
もういいですよね?
向井さんっ!」


「うるせーなぁー」


飯で腹がいっぱいになって
ソファでのんびりしてると
真琴は鼻息荒くしながら
俺の肩を何度も揺すった。


「ちょっと待てって
俺、マジで疲れてんだから」


「でもでも
ほんと見てもらいたくて
あ、じゃなくて
読んでもらいたくて
向井さん帰ってくるの
俺待ってたんですからー」


待って……た?


待ってたのか?


俺を?




くそっ

可愛くて
たまんねぇな

このままずっと
お前を囲いたくなる


「あと10分だけ
ゆっくりさせろって」


「…わかりました」


真琴は
そう言いながら
鍋や皿を台所まで待って行き

そして

「じゃあその間に洗っちゃいますから
そしたら読んで下さいね!!」

と、ちょっとスネたような顔をした。


ちょっと長くなった前髪のその奥から
子供がわざと怒ったふりをしてるような
そんな瞳で
チラッと俺を見た後
真琴は流しに目線を落とした



背が高くて
猫背

流しが低いのか
真琴は更に背を丸めて
痩せた身体に肩甲骨をあらわにした


真琴


罪だな。



お前の存在は


俺には
ちょっと



罪だぜ。




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