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君を好きにならない
第3章 誘ってんのか?


「さて、やるか?」


真琴が食器を洗い終えた頃
俺は冷蔵庫から
冷えた炭酸水を取りながら
真琴に声をかけた


「明日は休みだから
時間はたっぷりあるんだ。
お前の気がすむまで
付き合ってやるからな?」


「え?!
そーなんですか?!!」


「だから
ビールは我慢だ」


「向井さん
それを早く言って下さいよぉー」


真琴は
ちょっと眉間にシワを寄せたが
そのあと急いで手を拭いながら
八重歯を見せながら
嬉しそうに笑った


心のままに表情を変える真琴は
まるで子供みたいで

もっと
そんな真琴の
笑う顔が見たいと思う俺は

手を出したくても
どうすればいいのか分からない
それはまるで
真琴の教師みたいで

…焦ったい。


でもそれを
楽しんでるような

いや

ある種
真琴に悟られないように
していること自体が

秘め事のようで


たまらない。


「向井さん!早く!!」


「お、おう」


俺が
思いを巡らせてるうちに
真琴はさっさと
リビングのテーブルに向かい
俺を呼んだ


てか、えっ…?


いつの間に持って来たのか
真琴は
さっき片付けさせた布団を
当たり前のように膝にかけていた


そして
俺の顔を見ながら

右に


腰をずらした



えーっと…これは…



お前の隣に座って

布団に足を突っ込めと?


(笑)
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