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嫌いじゃなかったの!?
第10章 9ページ目。
私は昨晩、松田さんに電話を掛けた。
「もしもし、夜分に失礼致します。真嶋と申します。」
『あ、杏子ちゃん?って、業務連絡みたいで笑うんだけど!』
スピーカーの向こうから吹き出すような声が聞こえる
『んで、どうしたの?』
ひとしきり笑った後にそう聞いてくる松田さん。
私が連絡したのは一か八かだった。
「あの、明日ってお休みですよね?予定を入れられておられますか?」
明日、私は松田さんに話したいことがある。
聞いてもらいたいことがある。
松田さんにしか話せない。
そんな話がある。
『明日?待ってね、思い出す』
そう言ってしばらくの間黙り込んだ。
私も一緒に黙り込んだ。
そして、しばらくの沈黙の後
『大丈夫!確かなんもない!』
そんな、ハツラツとした声がした。
なぜかその言葉に胸をなでおろした。
「明日、私と会ってもらえませんか?どうしても、聞いてもらいたい話があるんです」
私はそう言った。
すると、『あー…、なるほどね』と呟いてから
『おっけ!じゃあ…』
と言って、時間と待ち合わせのカフェを指定した。
『じゃ、また明日ねー』
そう言って電話は切れた

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