この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第6章 Invisible Voice
 

 *+†+*――*+†+*


 朝七時――。

 早瀬の車が迎えに来て、電話の合図で下に降りると、黒い外車が停まっている。

「おはよ」

 窓を開けて出てきたのは、眼鏡姿の麗しい王子様の顔。
 涼やかで爽やかなのに、微妙に気怠い感じが、色っぽくて。

――いいか、言葉遣いを戻せよ。戻さなかったら、公開処刑だから。

 ぞっとする脅しをしてくれたおかげで、なにか強張った顔で笑う。

「おはようご……ざる」

「なんだよ、それ」
 
 ちょいちょいと指を振ってあたしを呼び寄せれば、顔を下げて見下ろしたあたしの唇に、顔を上げて朝のキス。

「なっ、朝っぱらから公衆の面前でなにしてるのよ、このエロ男!!」

 思わず、びしぃぃぃっと指を突きつけて叫ぶと、悪気なさそうな顔で早瀬は笑う。

「一応、虫除けと自己主張?」

「はああああ!?」

「べた惚れな彼氏の」

 「ふり」と小さく言い、目を固定して瞳だけを別の方向に向けてあたしを促すと、ブロロロロと音がして、なにか黒い車が過ぎ去った気がする。

「乗れ」

 鋭い眼差し。声の調子が変わり、慌ててあたしは反対側に回り込んで、助手席に乗ってドアを閉めた。同時に車がゆっくりと動く。

 今さらだけれど、早瀬の運転は上手だと思う。

 運転手の気分が損なえば荒くなるものの、高級外車だということを忘れれば、お年寄りでも安心して乗れるんじゃないだろうか。
 
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ