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禁断背徳の鎖外伝・小指の選択
第8章 心の中の克服



オリバーさんが出て行ってから、服を持ってシャワーに向かう。



「・・・あっ‥‥」


洗面所の鏡に映るぁたしの姿‥違う背中の傷痕・・・



『残したと言う事は、克服しようとしたって事だよな?』


「・・・・・・」


行為の最中のオリバーさんの言葉・・・


後悔と戒めの為に残した傷痕だったけど、克服とは思っていなかった‥それなのに・・・










「・・・・あっっ!?」


四つん這いの体勢で、オリバーさんに背中を見せていた時、オリバーさんは傷痕に唇を這わせた。


ビクンと身体が反応する‥心も身体も‥‥
ぁたしに取って傷痕は後悔の象徴、だから触れられる事に躊躇いがある。


この事は・・・紀永にすら話して無い‥
全て知っているから、逆に話しにくいという理由もあるけれど‥‥



「・・・嫌?」


「少し・・・」


「どうして?
俺は、この傷痕すらも綺麗だと思う」


綺麗じゃ無いよ‥
この傷痕は汚いぁたしの象徴、18才のぁたしの後悔が全て込められるんだから・・



「・・・
綺麗じゃ無い‥
傷痕は後悔と戒めの証、私の思いだけで走ってしまった結果‥心配していた人達を沢山傷付けた後悔‥‥
もう二度と、あんな事はしないという戒め‥‥
本当は、この傷痕も消す事は出来た、だけどそれじゃ私が納得出来なかったの、身体だけ綺麗になったって、心の整理は付かない‥‥‥だから、この傷痕を敢えて残した・・」


「残したと言う事は、克服しようとしたって事だよな?」


「えっ!?」


「二度と同じ過ちをしないという美紀さんの意志、それは克服じゃないか?
確かに今は男性不信気味だけど、現実俺とこうして嫌と思っている訳じゃないし、怖がっている訳でもない…
ちゃんと克服しようとしているんだよ、傷痕と共に美紀さんも‥‥‥」


「・・・・・克服」


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