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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第13章 実績と虚像



恵美里叔母の家は郊外の一軒家、元々夫婦家族で暮らしていたが‥
夫はやはり心臓疾患で早く亡くなり、息子孝一郎は独立が早く‥そして外交官という仕事上、数年に一度程度しか日本に帰って来ない。



(相変わらず花が多い‥‥)


この一軒家は、遠藤に下る恵美里叔母の為に、祖父が用意した場所‥
叔母は一度も、この場所から離れた事は無い、叔母のお気に入りが全て詰まっている場所だから・・・


花で埋め尽くされた庭を抜ければ、見える洋風古民家の家‥
庭に面したバルコニーで寛ぐのが、叔母の大好きな事の1つ。


分かっているから、正面玄関では無く、横のバルコニーに直接来た・・



「紀永さん、洸紀の時依頼ね‥‥」


「はい・・
父の時は、ありがとうございました‥
まさか、伊織まで連れて来るとは思いませんでしたが・・・」


「珍しい事に、伊織さんが行きたいと言ったの‥
どうぞ、お掛けになって‥‥」


「本当に珍しい‥
伊織も、早乙女は嫌っていると思っていました」


誘われるがままに、恵美里叔母が座るテラスの反対側の席に座る。



「どうなんでしょう?
孝一郎程、早乙女嫌いでは無さそうだけど??
紀永さんには懐いているもの‥‥」


「私‥ですか‥‥
本宅を飛び出してから、伊織に会ったのは数回程度、今は会っていませんね・・」


「伊織さんが、明確な意志を持って訪ねる事自体珍しいのよ‥
普段は当たらず触らず‥真面目なんだけど、なかなか心を開いてくれない、それが伊織さん・・」


「そんな感じは、一度も受けた事は‥」


確かに真面目だが、良く私に話す‥それが伊織だと思っていた・・



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