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青い残り火
第11章 第11章
階段の踊り場や中庭の片隅で、 二、三人の教師が小声で話し、生徒がそばを通ると急に黙る。一馬はそんな場面に何度も出会した。生徒の会釈ににこやかに応じてはいるものの、どこか不自然さを感じたのだった。

彼は芽衣に何度もメールを送り、動画を消すよう進言したが、芽衣は頑なな姿勢を崩さなかった。

──西崎先生には優しいんだね

ただ、三島と西崎が普段通りで何も変わらないところを見ると、教師達の態度は自分の杞憂に過ぎないのだろう、などと思い直したりもした。

そんなある日、ホームルームで学園祭に向けての説明を終えた富田が、私語をやめない生徒達を見回し、腕を組み、数分思案した後にこう言った。

「これはですね、その、余談ですが、……最近学園内で、あらぬ噂が広がっているようです。それでその、皆さんはですね、そんな噂に振り回されないようにですね、進学に向けて気持ちを引き締めて欲しいと思います」

教室はしんと静まり返った。が、彼が出ていった途端、「あらぬ噂ってなに?」「あの事?」と、それぞれが顔を見合わせた。

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