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青い残り火
第11章 第11章
学園祭の出し物が焼そばの模擬店に決まった一馬のクラスは、鈴木が中心となってレンタルする備品などの手配を進めていた。

「一馬、中庭の使用許可をもらいに行こうぜ。俺としてはたこ焼きもやりたかったんだけどなぁ」

「お前、こういう時は張り切ってんなぁ」

「私も行く、千紗も行こうよ」

「うんっ」

昼休み、昼食を終えた四人は設営場所はどこが良いかと話し合いながら職員室へと向かった。

「運営委員会の顧問がジミ田で良かったな。良い場所取ろうぜ」

「頼りないけどね大丈夫かな」

「強引にいかなきゃな、絶対水呑場の近くがいいよな」

「そうそう洗い物出るから」

「当日晴れるといいね」

「それはあれしかないだろ」

「なにあれって」

「てるてるぼうず」

「え? あははは……」

「作る作る、私が作るよ」

鈴木がおどけ、桃香と千紗が笑う。三人の後ろをゆく一馬は、罪のない彼らの会話に和み、爽やかな風を受けた。
進学したら、こんなひとときを過ごす事もなくなる。そう思うと、見慣れた仲間の制服姿がいとおしく思えてきた。

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