この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
青い残り火
第12章 第12章
四人が腹を抱えて笑っているそこに芽衣の居場所はなかった。
ぽろぽろと零れる涙を手の甲で拭い、鼻を啜る芽衣の肩に誰かが触れた。

「大丈夫? 失恋でもした?」

神谷由香利が横に並んだ。彼女は外を向いたまま、芽衣を見ようとはしなかった。下をゆく生徒を見送るでもなく、見慣れた町並みの向こうの、緑地公園よりももっと遠くの空を見ていた。

「……はい」

芽衣は素直に答えた。

「そう、泣きたい時は泣かないとね」

嫌な女の筈の神谷がやけに身近に感じる。意地っぱりな自分と何処か似ている気がした。

「先生も失恋して泣いたんですか?」

鼻を啜りながら訊いた。

「私? ふふっ、バレてたか。……そうね、……私の場合は、泣くことすら出来ないの」

「……そうですか」

睫毛がしっかりと上を向いていた。日本人離れした目鼻立ちと、分厚い唇が魅惑的で、それに肉感的な体型が加われば、男子に注目されて当然だと今は思える。

「もう行くわ。合唱の練習見に行かなくちゃ」

「私ももう帰ります」

/277ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ