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青い残り火
第5章 第5章
陰部に魅入っていた二人はゆっくりと顔を合わせ、今のが空耳ではないと知った。
真琴はドアの方向に顔を逸らせ、一馬は顎を上げた。二人の視線の先、カーテンのドレープの向こうに誰かがいる。

開け放したドアの空間に、男が立っていた。

「……ひっ……」

真琴が息を詰まらせ、がくがくと尻が上下する。

「ど、どいてぇ……」

「あ……」

真琴の尻が落ち、一馬は垂れ下がった陰茎を晒してそこに立っていた。

「な、なんで……」

「今頃大口の顧客を接待しているはずなのに、……か?」

近付く男の顔は携帯電話で隠れていて、それは今、男を冷静でいさせる唯一のアイテムだった。

「田崎に確認の電話までしたんだろ?」

「違う、違うの……」

膝を崩して座った真琴の顔面は蒼白で、言い訳を探す余裕もなかった。

「……君は若いな、大学生か」

携帯を一馬に向けた男が問う。

「い、いいえ」

「なら社会人か」

「……いぇ、あの、高校行ってます」

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