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青い残り火
第6章 第6章
「昨日はありがとう。パフェも美味しかったし、……一馬の部屋でも楽しかった」

「あぁ、うん」

一馬が携帯を気にしなくなったのは、気を使ってくれるようになったからだと芽衣は思った。
部屋で急に襲いかかってくるのも、服を脱がずに終わってしまうのも、一馬の情熱のせいだと理解していた。
腕を組んで歩きたかった。でも一馬がするりと逃げるのは、人前では恥ずかしいからだと──。

「おはようお二人さん」

今朝も千紗と桃香は変わらない。

「ねえ、芽衣のクラスって、国語の授業なにやってる?」

千紗が何気なく訊いた。

「え、えーっと、あ、テスト範囲終わったから、自習かな」

「そうだよね、来週からテストだし」

「俺先行くわ」

一馬のつまらなそうな口調に「いつもごめんねー」と桃香が手を振った。

腕を組んだりしたら、この二人がまた何かを探ろうとするに違いない。仲良く手を繋ぐ下級生を見つけた芽衣は、昨日、一馬とキスをしていない事に気付いた。

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